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タチコマ

この記事は

TVアニメ「攻殻機動隊 S.A.C 」シリーズのネタバレを含みます。

 

この記事は、 攻殻機動隊 S.A.C 2nd GIG 」を観終わり、泣きながら書いています。

 

私は最近、攻殻機動隊のアニメをNETFLIXにて試聴しました。

NETFLIXに登録して以来、配信されているアニメ一覧の中にこの作品がありました。

 

始めは軽い気持ちでした。

 

丁寧に動くアニメーション、

複雑だが綺麗に絡み合うストーリー・徹底された世界観、

2017年現代でも十分に刺さる社会への言葉、

味方・悪役と共に確固たる意志をもった魅力的なキャラクターたち。

 

こんなによく出来た作品だとは思ってもなかったし聞いてもいませんでした。

 

中でも私が気に入ったのは、「タチコマ」たちでした。

 

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公安9課のAI搭載戦車。可愛い声で喋ったり銃を撃ったりゲームを両手で持って遊んだり出来る小型戦車。

9課の任務にて、痒いところに手が届く働きをするすぐれたロボットたち。

 

作中で成長を続けていく彼らに心を掴まれずにはいられませんでした。

彼らだけで、自身らに理解不能な人間性について議論したり

本来出来るはずがなかった、人間の女の子とちょっとした冒険に出てみたり。

 

彼らにはゴースト(魂)はありません。

いくら人間らしい言動と取るからと言っても、所詮はAIだったはずでした。

しかし、TVアニメ1期にて彼らはバトーさんを助けに行きます。

介護ロボットになったり、工事現場で働きバラバラになったはずの彼らは

自分の意志で赴き、

敵を倒すために破壊されます。

 

この時、私はとても悲しかった。

あんなにもいい子たちなのに、どうして死なねばならぬのか。

もちろん理由はあった。バトーさんを守るためだ。

彼らはそれをしっかりと行い、壊れた。わかっている。

だけど私は認めたくなかった。せっかく人間のような自意識を持ち、初めて心から動き出した途端に死んでしまうのだ。

彼らを可愛がっていたバトーさんや、彼らに心があることに気づいた素子たちのことを思っても悲しくないはずがない。

もう視聴をやめてしまおうかとも思いました。

ですが、2nd GIGでまだ続編があることを知っていたので、続けて観ることにしました。

 

その結果、私は救われました!

なんと彼らが帰ってきたではありませんか!

ここまで観続けてよかった。また9課のみんなとタチコマたちの関係が続くのだ。

私は安心して2期を見続けることが出来ました。

好きなキャラクターが失われたままその作品を観続けることは、つらく苦しいものがあります。

それからは、2期の内容に集中することができました。

1期の笑い男事件を前提知識として持った状態で観る2期はまた考え深いものがあり、

近未来な世界観での人間と心理について考える事も楽しくありました。

 

そして終盤。

個別の十一人のうちの1人「クゼ」と内閣情報庁・ゴーダによる

革命劇もいよいよクライマックス。

核ミサイルを搭載した船が出島の近くにいることを知り、

ミサイルを防げないと判断した素子は、

クゼとつながれた300万人分のデータを保存できる場所を探すようタチコマたちに命じます。

ですが、それでは9課の面々を救えないと判断したタチコマたちは、

素子の命令に逆らい、衛星をハッキングし落とすことでミサイルを確実に防ごうとしました。

順調に衛星を落とし、

ラスト1つとなったところで問題が発生しました。

その衛星は、彼らのAIが載せられた衛星でした。

 

それを落とすことはつまり、

彼らの魂が死ぬということ。

彼らは落とす道を選びました。

落下中、「手のひらを太陽に」をタチコマ全機で合唱し、

9課のみんなに聴かせながら散ります。

 

正直に申し上げますと、私は非常に悔しかった。

TVシリーズを通し観て、

心を奪われてしまったキャラクターが、

復活が難しいくらいの散り際を見せられたのに、

文句のひとつも出てこないのです。

それくらい、完成された物語だと感じました。

 

 

9課が出島へ出発し、

作戦が始まったときに別行動していたイシカワがつぶやいたセリフがあります。

 

「難民とクゼ

 政府とゴーダ

 課長や少佐、そして俺たち。

 最も優秀なスタンドプレーを演じられた者が、この事件の勝敗を左右しそうだな。」

 

まさにタチコマたちのした反抗は、

これ以上ないくらいのスタンドプレーと呼んでも良いでしょう。

 

 

私は、攻殻機動隊シリーズについての知識はありません。

TVシリーズの、この2つのみです。

もしかすると私がまだ観ていないシリーズで、

タチコマたちが活躍する作品があるのかもしれません。

衛星落下前にネットに保存したタチコマたちの記憶が、

運良く"個"としての存在を維持し続けていられた場合、

復活できるかもしれません。

 

もしもそのような続きがあるのなら、

私はまた泣きながらタチコマたちの活躍を、見守りに行くでしょう。